2024年の振り返り
今年も残り3日となりましたが、瞬きする間に1年が過ぎ去ったような気がしています。
日本国内においては、自然災害から始まった一年となりました。自然との共生、地域間の連携、国際的な協力と貢献などが今後ますます重要になっていくと思います。
今年は、年末年始の休業期間が例年よりも長いので、1年間の体の疲れをとりつつも内省、自己鍛錬、2025年に向けた準備を充実させたいと思います。
2024年の元旦に「指針」を掲げるところからスタートした一年でした。
下川織物のミッション
- 世の中のあらゆるものとコラボレーションする
- 普通の努力だけでは到達できない世界への挑戦と実現
- 伝統工芸製造業の新たな事業形態の確立
振り返りとしては、この3つについての成果の検証ということになるかと思います。
以下にいくつかのキーワードを挙げましたが、1〜3のいずれにも当てはまる部分がありますのでキーワードに沿っての振り返りとしたいと思います。
・コラボレーション
大きく分けて「プロジェクト型」と「ビジネスパートナーシップ」の2種類に分かれると思いますが、準備期間などを含めると同一単年度での成果達成は難しい場合が多いと思います。そのため、「種まき」「収穫」の2つの期間がありますが、昨年は収穫期だったのに対して、今年は次の種まき期でした。海外ラグジュアリーブランド、海外の新規見込み顧客、新規の海外コラボ制作、新商品開発、中長期ビジョンでのコラボ制作など今後に向けた話は、年間通じて多くの方と話せましたので、今後が楽しみです。
・海外挑戦
2月プルミエールビジョン出展、5月カンヌ国際映画祭でのイベント参加が大きな出来事でしたが、それ以外でも1月ドバイ、4月ミラノサローネにおいても自社商品、コラボ作品の出品を達成いたしました。ビジネス成果の面では単年度で収益を上げることはハードルが高い面がありました。2〜6年ほど前から取り組んできた海外案件において商談の成果を上げる事例も達成することができましたので、継続と集中力がやはり大事になると感じました。
出展するだけが海外挑戦というわけでもなくインバウンドでのビジネスも海外挑戦だと捉えています。海外からの訪問者はアフターコロナで増加傾向にあり、それに伴って工場直売に反映されています。海外からのインターン希望者の受け入れも今年は、5組(6名)。年に一度の取り組みだったのが通年での受け入れとなりました。
・グローバルスタンダード
海外(特にラグジュアリーブランド)との取引において、必須となっていく事項です。
参加しているグループ内で開催された「環境ラベル対応の取り組み」において企業の環境理念・行動規範についての勉強会に開催し、下川織物として独自の宣言書を作成しました。年明けにオーディットを受けて正式な発表ができるのかと思います。自主宣言という部分では、その前に告知したいと思います。こう言った事前の下準備を作った上で、しかるべきタイミングにしかるべき場所に立つということが大事かと認識しております。
・事業再構築
今年は「事業再構築」を掲げました。少し前から考えていたことではありましたが、現在の「来訪型マーケティング」構想を掲げて取り組んできて、10年になりましたので、「次の10年」に向けては、アップデートしていく必要があると思い、その始まりの年としました。詳細については、2025年以降に事業として取り組んでいく中で随時お知らせすることになるかと思います。
・職人の世代交代
長年、下川織物を支えていただいてきた職人の方々、工場勤務だけにとどまらず外注での請負業務の方も含めて世代交代が進んでいます。また退職後も技術指導していただいてる皆様には感謝申し上げたいと思います。下川織物は創業76年になりますが、「求人募集をしない」経営を継続してきました。「来訪型マーケティング」として工場を開放してからは、「体験」を希望される方が増えてありがたく思っております。ご興味を持っていただいた方には、随時体験を受け付けております。世代交代によって「子育てママが職人」という経営方針を掲げました。職人の平均年齢がグッと若返りしたもののフルタイムで働ける人が少なくなったために、現在の工場は織機のフル稼働時間が減少して結果的には生産量の減、人手不足感は否めないのが現状です。しかし地域の子育てママにフォーカスして働きやすい環境を整えることが、中長期ビジョンにおいては重要と捉えています。自身の家庭環境に合わせて長く働ける職場づくり、長く働くことが職人としての技術習得には大事ですので、「反復して制作作業できるヒトとモノづくりの達成」を目指しています。
世界基準でのモノづくり会社を目標としていますので結果的には「体験見学の窓口は広く、雇用採用の門戸は狭く」というのが現実ではありますが、来年も海外からの滞在希望お問合せもすでに数件ありまして、コミュニケーションの中からより良い方法を模索して選択していくことになると思います。
事業としての軸「ブレない経営方針・姿勢」を貫く
時代が変わっても大事なのは「努力(根性)・忍耐・出会い(ご縁)」だと考えます。
事業再構築に対する考えについても「大きな投資はせずに現存の設備・人材を大事に」
今できることの最大値を探る。その上で、新たな技術・設備投資を図る。家族経営の小さな職人企業として時代の変化に対応しながらも柔軟な姿勢でコツコツと小さな一歩を積み上げていくことを心がけています。
例えていうなら
「千里の道も一歩から」実際私自身も年末年始の休暇など休みになると「100キロウォーキング」を敢行していましたが小さな一歩も毎日積み重ねていけば、100キロ程度は、比較的短い日数で到達するものだということを身をもって実感しています。
野球で言うなら、堅実守備で、コツコツとバントする野球。ヒットゾーンを見極めてコンパクトに当てていく。それだけでは面白くないと思うので、ここぞの場面ではホームランを狙うこともケースバイケースではありかなは思いますが。
サッカーで言うなら、堅守速攻。ゾーンで組織的な守備からコンパクトな攻守の切り替え。カウンターアタックによる一発の決定力を高める。守りを固めつつも常に攻撃の機会を探っている。攻めのための守りといったイメージですね。
絣の製造に置き換えて考えてみると
1:糸の長さ、本数を揃えて糸道を作る
2:1本ずつ糸を結ぶことで確かな結果に繋げる。
3:括りを解いて、柄を浮かび上がらせる。
一つ一つの小さな作業の連続が大きな成果を生み出す。
まとめ
2024年の活動は、概ね「助走期間」だったように感じました。
やはり10年という時の流れは一つの区切りになっているのかもしれません。
職人の仕事はコツコツした作業が多く、毎日の生活の同じルーティンの中で過ぎていきます。
見方・考え方によっては、それは退屈な日々と思われがちです。しかし、そういった日常の中からしかドラマチックな「非日常」は生まれないし、生み出せないと思います。
そのために、この10年間心に刻んで続けてきたこと。今年も続けたこと。そして来年以降も続けていくことを最後に書き記しておこうと思います。
1:目標をもつ。
自身の人生、会社として、あるいはもっと大きな枠組みの中でも
2:イメージ化。
目標達成のイメージを頭の中で繰り返し映し出す。なるべく細かいところまで。息遣いなども
3:そこに向かっての行動。
イメージ作ったら、できるところから一歩ずつ前へ。
4:体感、体験
強く意識して自身の体に覚え込ませる。
5:潜在意識への刷り込み
目標を達成した時の自分を鮮明にイメージして、現時点での自分とのギャップを重ね合わせる。
「日常から非日常を作り出す」ことで「その非日常を明日の日常に変える」
今年の12月27日の仕事納めに感じたこと
「実体験は想像を超えてくる」
久留米絣織元 下川織物
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