糊落としの助剤に浸した絣糸はその後どうなるのか?
まずは、水洗して、表面に残った糊分を洗い流します。
水量豊富な井戸水を使ってます。
直接糸が水にあたらないよう白い布で覆って水洗します。
上から雨だれ式で水を落としています。
最初に使う糊はでんぷんですが、2回目はケタコールという糊を使います。
それとワックスを熱湯で溶かします。
糸のまとまりをつけ、摩擦による表面の毛羽立ちをふせぎ、なおかつ表面に滑りをつけるため、
この2つを絶妙なバランスで配合します。
糸の量や天候などの条件で微調するので、経験による勘が必要です。
糊とワックスに浸している写真のうち、2枚目のものは藍でそめたタテ糸です。
カセ(輪)にした糸を手でたぐりまわして1本1本に浸透させます。
最後は脱水機で絞ります。
井戸水は、水道水にくらべて夏は冷たく冬は暖かいという特徴があります。
たて糸でもよこ糸でも絣の糸は必ずこのようにして糊とワックスをつけて仕上げてます。
久留米絣 下川織物