3代目のブログ(スタジオライブレポート括りの基本構造)

<括り(くくり)のルール>

経糸(たていと)と緯糸(よこいと)は括りの手法は同じでも基本構造は全く違います。そのため経糸と緯糸の括り機械は同じではなく、別々の機械が存在します。括り機械を操作する括り職人もそれぞれに専門の職人によって行われます。つまり、同じ職人が同一の括り機械で経糸と緯糸を括ることはありえません。(ただし、厳密にいうと一部例外があります)

緯糸の括りは明確で1回の括りで36反または48反となります。括り機械のタイプと絣糸の仕込み具合(糸の束の本数や糸の太さ)によって36反か48反になります。手織りなど少量生産の絣についてはもっと少ない分量で仕込みますが、一般的な商業ベースで生産している動力織の久留米絣の場合は36または48反です。

経糸の場合は、ちょっとややこしいです。全部を一度に説明すると分かりにくいので分割して説明することにします。経糸で柄を作る場合は一つの括りパターンで柄ができる場合もありますが複数の括りパターンで柄を構成する場合もあります。基本的には6種類以内の括りパターンの組み合わせで柄を設計しますが、収まらない場合は8種類で柄を設計。ですが応用次第では10種の括りパターンで柄を設計するなどもあります。商業ベースで考えて量産する前提で柄を作るときは6種類以内を基本とします。

ここまでの説明でもまだ最初のところだけです。文字にして説明しようとすると長くなるし、正確に伝わっているのか。職人は手を動かして物を作ることが本業なので、こうして文字にして伝えることや自分の言葉で話して伝えることが基本的には苦手とされています。私も職人なので、おそらくそれに該当するでしょう。日々のモノづくりというのは「自分の感性と勝負」する感覚があるので自分自身の中に深く集中する必要があり言葉で邪魔されたくないという意識も働くように思います。それを補う手段として、SNSやブログでもっと深く自分の言葉でモノづくり、絣つくりを問いていきたいと思いました。記録としても。

 

久留米絣織元 下川織物

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