直近の５年間で「立絣部門」で生産量１位の柄が「十字柄」です。
２種類の括りパターンを組み合わせて十字柄を作ってます。
また緯糸（よこいと）を黒で織ると黒になり、
緯糸を白で織ると写真のようにグレーになります。
経糸（たていと）共通で２色展開にしているのも生産量が多い要因の一つでもあります。
この考えでいくと緯糸は、赤、ブルー、紫、グリーン・・・など色展開することが可能です。春～秋はレギュラーシーズンで「うなぎの寝床」さんのモンペ用に黒とグレーを集中的に作ってますが、シーズンオフには赤、ブルー、紫など色展開したものを生産することで１年を通して安定生産することに成功しました。
こういった定番柄の生産体制の構築は、織元ごとに特徴が分かれた柄を持っているところが多かったように思いますが、近年は生産者の減少に伴い、一軒の織元で多種多様な柄を生産する機会が増えてきました。着物から洋服へと絣の主な用途が変わったこともあり、同じ柄を定番として通年生産していく流通環境が整わないこともあり生産効率の悪い生産体制になりがちです。生産体制や販売体制などは時代に合った見直しと対応を常にアップデートしながら、深化していく必要があると感じます。
久留米絣織元 下川織物
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