3代目のブログ(スタジオライブレポート3.12)

織機にはリズムがあります。モーターの回転速度。小幅の古い織機は、動力織機としてはゆっくりとした回転速度ですが、そこが心地よいリズムを与えてくれる理由であると思います。シャットルを押し出すステッキのリズムとタイミング。経糸と緯糸が織り重なって巻き取る歯車、2枚の綜絖枠の上下運動なども独特のリズムです。織機の音が心地よく聞こえてくるならば、これを柄として表現することができないものかと最近考えるようになりました。音楽に楽譜があるように、織物にも図案があるとの独自の見解を持っていまして、それをさらに深化させて視覚的に表現する方法。一見何気ない幾何学模様かもしれませんが織機のリズムをなんとなく感じ取って感覚的に表現する試行錯誤。現段階では声紋やサーモグラフィーのようなイメージですが、織物職人としての独自の表現方法がどこかで見つかると信じています。

 

 

久留米絣織元 下川織物

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