3代目のブログ（スタジオライブレポート3.8）

この柄は、うなぎの寝床さんの「クリエイティブチャレンジ」という企画の中で生まれました。クリエイティブチャレンジについてはこちらから

MONPE クリエイティブチャレンジ No.1 下川織物経緯注染絣

四角いアラレ柄のタテヨコ絣。動力織機で織れる柄の大きさの限界値を考えた場合に、紺地に白のタテヨコ絣をこの大きさで織るだけでも熟練の技術がないと難しいのですが、さらに経糸、緯糸それぞれをグラデーション染めしました。括り技法による柄の構築から、さらに手染めでグラデーションをかけるのは、一般的には「注染染め」に近いものですが、絣糸を手染めでグラデーション表現するというメソッドは、オリジナルな発想を加えています。また、図案の段階で意図的に緯糸のアラレ柄を不規則な重ね方に作りましたが、耳を合わせることで一図案のリピートで規則正しく織っていくことを得意とする久留米絣の織り方にあって、このように色も柄も規則性をあえてくずすのは、織り職人にとっては、悩ましい問題にもなる側面があります。見た目の印象同様に総合的な技術力の結晶で作り上げた渾身の一品となりました。