３代目のブログ（スタジオライブレポート）

＜タテヨコ絣の解＞

小柄のタテヨコ絣は、難易度の高い織物です。手織りと違って動力織機で織る場合、一つ一つをきれいに整えて織っていくことは無理です。ここにも「全体バランスの最適化」で考える法則を適用します。

写真は、「十字と井桁」の組み合わせ柄。経糸と緯糸の絣模様がきれいに交差して十字模様、あるいは井桁柄になっているところもあれば、惜しくも重なりきれてない箇所もあります。

しかし、重なりが足りない柄が邪魔しているかと言われれば、そうでないと思います。この柄を見て、一つ一つの柄の重なり具合でクオリティーの評価の全てではないということです。もちろん、各工程における職人は、全ての柄が図案通りにきれいに重なることを目指して作業します。いろんな条件が重なり、複数の作業工程を経ていく中で結果的に出来た柄の「ゆらぎ・ずれ」にはバランスの取れた美しさを感じます。