3代目のブログ(スタジオライブレポート柄の構築)

<水玉柄の由来>

水玉柄は、いろんな織元で織られてきたベーシックな柄の一つ。下川織物の水玉柄のルーツとしては「藍染め手織り」が原点。わずかに残っている資料と当時の図案を参考に動力織機による「立絣」技法で量産することで当時の水玉柄を再現するという発想に至った。

水玉柄を作る場合、少しずつ長さを変えた括りパターンを合わせることで水玉柄を作る。より緻密で細かい水玉を作ろうと思えば4種~6種のパターンの組み合わせで水玉を作るという発想も可能。

最適化1.

柄の大きさを考える。写真の大きさの水玉を作る場合、6段階も括りの長さを変えた水玉にする必要があるのかという点。何段階の変化がちょうどいいのかを生産性や効率性から検討していく。この柄の場合、3段階の括りパターンの組み合わせで水玉柄を作った。

最適化2.

整経ロスの最小値を探る。3種類の括りパターンで水玉柄を作るとして、「丸い水玉」「やや縦長の水玉」などいろんな水玉が想定できる。3種の括りを施した経糸の必要本数は同じ本数なのか、変わるのかも含めて水玉の形を作っていく。この柄の場合は整経ロスはゼロで1回の括り作業で36反分の糸量を確保できる。

考察

実は、この柄にたどり着くまでに何回も試行錯誤して、いろんな水玉柄を作っている。細かい調整を含めると5パターンの括り試行と10パターンの括りの合わせによる柄の構築。最終的に最も生産性が高く、整経ロスが発生しない柄の大きさ、分量の比率にたどり着いた。こうして完成した柄だけが定番として定着していく。

 

久留米絣織元 下川織物

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