3代目のブログ(スタジオライブレポート十字柄)

花柄、水玉、幾何学模様など一年を通じて多種多彩な柄を作っていますが

最近数年間で最も多く作っている柄の一つは、この十字柄です。

十字柄は、「タテヨコ絣」「立絣」などいくつかのアプローチで制作する方法があります。この柄は「立絣(たてかすり)」の技法で作っています。久留米絣は、専用の図案用紙に図柄を描いて経糸と緯糸の計算をして、図案をもとに制作していきますが、実際に生地に表れる絣模様は、一つ一つ微妙に形に違いが出てきます。しかし全体としては均一の取れたバランスがとれています。

この図案上では表れない予測不能な「柄の揺らぎ・かすれ」が久留米絣の最も面白いところで他のテキスタイルにはない特徴だと言えます。十字柄の経糸(たていと)は、2種類の括り(くくり)パターンの組み合わせで十字柄を表現。経糸で柄を作ることの特徴は、力強くシャープな柄の表現になることです。

遠目からでも十字柄がはっきりと自己主張しています。柄の主張が強すぎないように柄の配列や感覚はバランスを考えています。長年に渡って蓄積されてきた感覚が活きてます。

 

久留米絣織元 下川織物

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