久留米絣織機は、約100年前に豊田佐吉氏が考案した国産の動力織機である「Y式」という小幅織機をベースに一部を改良して柄合わせしながら織ることのできる「絣織機」が開発され普及したことに始まります。
この「Y式織機」を現役で未だに運用している産地は、久留米を含めたごくわずかな地域となりましたが、改良された「絣専用織機」として現役で運用しているのは久留米絣産地のみです。もう少し詳しく言いますと括り技術を用いた絣の製織を動力織機で商業ベースで織ることのできる技術を国内で唯一保有し続けている産地が「久留米絣」です。
それは、つまり「世界で唯一」を意味します。そして、絣の技術を用いた最高峰の技術であるタテヨコ絣で精巧でち密な柄を織るためには、この小幅織機を用いることでしか作ることができません。
数十年前の織機は、シンプルな構造であるために職人自身の調整で毎日のメンテナンスを欠かさないことで稼働し続けます。織機の速度や可動域など細かい微調整は職人の経験で得た「感覚」に基づいています。
久留米絣織元 下川織物
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