3代目のブログ(スタジオライブレポート設計の妙)

久留米絣は専用の図案用紙に図柄を描くところから始まります。

図案用紙のサイズは、タテ24~27.5cm、ヨコ38.5cmです。通常の量産タイプの久留米絣は、図案1枚分の柄を1リピートとして織っていきます。織りあがった反物は、湯通し加工で約1割縮ませます。そのため、図案は、1割の収縮分を計算して、縦長に書いてます。

例えば、写真のような水玉を描く場合、柄の大きさからバランスを考えると必然的にタテヨコの配列はある程度限られてきます。基本的に久留米絣は括り技法を用いた自由な柄の表現を特徴としていますが、市場に流通させるために作る量産品は図案用紙の規格のリピートという前提で成り立っているために意外と不自由さを感じる場合も出てきます。ある種のパラドックスといえるかもしれません。

考え方は職人ごとにそれぞれだと思いますがそれを打破するための手法の一つとして「引き算の美学」を用いることにしています。この図案は、もともとタテヨコ方向に等間隔に並ぶリング柄をイメージして設計しました。しかし柄の大きさに対して図案の中に収めようとするとタテヨコの並びが窮屈になり、結果、横長のバランスの悪いリング柄になりました。そこでまず柄を抜きました。それでも窮屈さを感じたので、二つのリングをぎりぎりまで寄せて「2連リング柄」として完成させてます。

久留米絣織元 下川織物

E-MAIL  info@oriyasan.com

URL     https://oriyasan.com

instagram   http://instagram.com/shimogawakyozo/

facebook     https://www.facebook.com/shimogawaorimono

Twitter       @kasuritter

Tumblr      kyozoshimogawa

YouTube    https://www.youtube.com/channel/UCOZennIqkscFGNJLwnTOyKg