襲の色目(かさねのいろめ)
四季折々の変化をその様相の比喩表現によって色彩として感じ取ってきた日本人が作り上げてきた配色方法。この配色方法はもともと袷仕立て(あわせしたて)された衣服の表地と裏地の配色で平安時代に公家の装飾の中から生まれ、以後、公家の人々の服飾に欠かせないものとして近代まで伝えられました。
日本の染織の中でも特に服飾に見られる最も大きな特徴は、快適さを求めて四季に応じた生地や仕立ての選択が行われているだけでなく、美意識の反映としてそれぞれの季節にふさわしい色や模様が選ばれ使用されてきたことにあります。
これは日本が地理的に温帯に属し気候が四季を持っていることに起因していることに加え日本人が季節に伴って身の回りで生じる自然の移り変わりを敏感に感じ取っていたからだと考えられます。
季節に応じた服飾の最も代表的なものが誰もがよく知っている平安時代に生まれた女性の「十二単」です。
久留米絣織元 下川織物
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