久留米絣という名の未来を共有するインタビュー
2020年 4月24日 氏名 平田章悟
- 久留米絣を知ったきっかけ(過去)
人生のルーツをたどる
日本に住んでいた時は名前を聞いたことがある程度でした。2012年からスウェーデンに渡り手織物などテキスタイル手工芸について広く修学し終えた頃、ソーシャルメディアを通じて下川織物の久留米絣に出会いました。絣織物そのものもですが、その工程や作業に一目惚れして「久留米絣作りの現場をこの目で見てみたい!」という強い想いが瞬時に溢れてきたことを今でも鮮明に覚えています。
- 久留米絣と私(現在)
生活やビジネスにおける関り
その出会いから数ヶ月後、ちょうど実家のある京都に帰省する予定があったのでその足でそのまま下川織物がある九州・八女に向かいました。実際に見る久留米絣の工程は想像をはるかに超える手間と綿密な計算・技術から成り立っており、一度の訪問で簡単に理解できるものではありませんでした。
この訪問が決め手となり、久留米絣を深く学びながらこの工芸の魅力を世界に伝えるべく、スウェーデン・日本 クラフトエクスチェンジプロジェクト「Intertradition」を友人であり手織作家でもあるLisa Juntunen Roosと共に立ち上げました。このプロジェクトはスウェーデン伝統織物のパターンを久留米絣として表現し、両国の工芸文化を交差させた新しい絣織物を生み出すという試みです。そして、その制作工程を実際に見聞きしながら理解・記録し、世界に久留米絣とその工程の魅力を伝えるという目的で、2016〜2018年の間、両国で多くの展示・発表を行いました。詳しくは www.intertradition.com をご覧ください。
- 自身の人生における絣の存在(未来)
久留米絣と寄り添って、これからを生きていく
このプロジェクト自体は第一弾の終末を迎えましたが、このような素晴らしい伝統工芸を後世に伝えていくには継続することが必要不可欠だと考えています。もちろん自身もずっと久留米絣と、さらに下川織物のみなさんと関わっていきたいという強い思いがあるので、このプロジェクトを次の形に発展させること、またスウェーデンからの新しい関わり方を模索しています。久留米絣を「全く異なる文化に置くことでその在り方を再解釈し、魅力を違う角度から伝えること」が自分のできることだと自負しながら、今後もずっと関わっていきたいです。
<Intertraditionについて>
スウェーデン在住のアーティスト平田章悟さんと
スウェーデンのテキスタイルアーティストLisa Juntunen Roosによるプロジェクト。
日本スウェーデン文化交換プロジェクトとして2017年~2018年に行う。
https://www.intertradition.com/
このプロジェクトは、これで完結ということではなく、
あくまでも第1章が終了したという位置づけで
第2章に向けて、現在も二人とのコミュニケーションは続いている。
ちなみに2018年は、日本×スウェーデン国交150周年という節目の年でも
あったことから、このプロジェクトの意義が評価され、交流イベントの一環として
認定されたことから同年10月にストックホルムを訪問し、
ギャラリーでの展示とトークイベントを開催した。
久留米絣職人が、初めてスウェーデンを訪問した記念すべき年となった。
久留米絣織元 下川織物
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