3代目のブログ(スタジオライブレポート片羽無地)

<片羽(かたは)という考え方>

絣や織物に限らず、モノづくりの過程において「職人言葉」というべき独自の表現があります。織物の世界でもさまざまな専門用語がありますが、ちょうど日本語に「標準語」「方言」といったものがあるように共通言語だったものが各産地で独自の表現に変わったり、もともと産地特有の言葉として存在していたりします。

久留米絣職人においても、さまざまな「職人言葉」があります。糸を数えるときに1本2本・・・という数え方はもちろん存在しますが、経糸(たていと)は2本で1セット、緯糸(よこいと)も1往復(2本)で1セットになるために2本=1羽(ひとは)という表現を使います。

写真の無地は、経糸は赤と黒の糸を1本ずつ交互に並べています。赤と黒が上下に運動する間を緯糸が往復運動することで経糸と緯糸が交差して織物になります。

1本ずつ交互に並べていることを職人言葉で「片羽割り込み(かたはわりこみ)」と呼んでいます。

 

久留米絣織元 下川織物

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